はじめに

Ripple（XRP）は、政策イニシアチブや市場の活発な動きを背景に、金融機関や投資家から大きな注目を集めています。Rippleは、Blockchain Association Singapore（BAS）とシンガポールで共同セミナーを開催し、デジタル資産カストディに関する4つの重要な原則を示しました。さらに、Rippleはステーブルコインやトークン化インフラの構築を加速させ、機関投資家による導入を主導する体制強化を進めています。

Rippleのデジタル資産カストディ戦略

Rippleの経営陣は、デジタル資産カストディが機関投資家の暗号資産市場参入における重要なゲートウェイであると強調しています。セミナーでは、Rippleが推進する4つの主要施策が紹介されました。

1. Compliance by Design：シンガポール金融管理局（MAS）の資産分別管理やリカバリー要件といった高度な規制基準を順守
2. 多様なカストディモデル：サードパーティ、ハイブリッド、自己管理など、機関投資家のニーズに合わせた管理形態を提供
3. 運用レジリエンス：EUのDORA（デジタル運用レジリエンス法）など最新のレジリエンス規制を反映し、システム障害にも強く迅速な復旧を実現
4. ガバナンス構造：役割分担の明確化、独立した監督、包括的な監査証跡による信頼性と透明性の確保

Rippleは、これらの標準がステーブルコインや国際送金だけでなく、リアルワールドアセット（RWA）トークン化の成長を加速させると述べています。

ステーブルコインおよびトークン化の展望

イベントでは、Rippleが新たに米ドル建てステーブルコイン「Ripple USD（RLUSD）」を発表しました。RLUSDはニューヨーク州信託会社ライセンスの下で運用され、厳格な準備金分別管理、第三者監査、米ドルによる1:1準備金バックが求められています。また、API連携やマネーロンダリング対策（AML）、プログラム可能なコンプライアンスツールも統合し、Rippleは自社カストディインフラでトークン化資産の実需導入を加速できるとしています。主な活用例には、国際貿易金融、キャッシュフロー管理、デジタル手形などが挙げられます。

XRPの価格動向とテクニカル分析

XRPは堅調なファンダメンタルズを持ちながらも、直近で下落圧力が強まりました。過去1週間でXRPは約3.40ドルの高値から下落し、現在は2.89ドル付近で推移しています。これは7月のピーク3.65ドルから約18％低い水準です。テクニカル分析のポイントは以下の通りです。

• 主要サポートゾーン：3ドル～2.9ドルの範囲。この水準を下抜けると、2.7～2.8ドルでのサポートテストが想定されます
• 短期レジスタンス：3.20ドル。ここを上抜ければ、新たな反発局面への展開となる可能性があります

執筆時点での1日あたり取引高は65.7億ドルに達し、市場の活発度がうかがえます。オンチェーンNVT比率は111.8まで低下しており、時価総額に対する取引活動が増加していることを示しています。これはネットワーク活用が健全である好材料です。

XRPの現物取引ページ：https://www.gate.com/trade/XRP_USDT

まとめ

Rippleはカストディおよびトークン化インフラの分野で積極的な拡大を進めることで、XRPの長期成長に向けた基盤を強化しています。短期では、価格はテクニカルなレジスタンスや規制動向の影響を受けやすい状況です。2.90ドルのサポートを維持し、3.20ドルのレジスタンスを上抜ければ、さらなる上昇トレンドが期待できます。